おやすみ日常

眠るように暮らしたい

職業の覗き見

 

小学校の先生をしているとたまに、社会科見学に行く機会が訪れる。子どもの頃の見学といえばそれはもちろん楽しかったが(見学内容がどうこうというより探検バッグを手にバスに乗ることに魅力を感じていたのかもしれない)、大人になってから仕事現場を見せていただくのも、乙なものがある。

 

さて今日は、着物作りの工程の中でも機織りの部分を担う、伝統工芸士さんの元へと出かけた。これまでの人生で、まったく見ることのなかった場面である。

 

工房にお邪魔すると、品のよいご年配の女性が出迎えてくれた。

 

木の温もり溢るる機織り機が工房に2台。鶴が恩返し時に使うアレである。かっこいい。

 

ご年配の女性が老眼鏡をかけ、機織り機に座る。手元を照すオレンジの電球。かっこいい。

 

この時点でわりと、(うわぁ‥‥伝統工芸士なりてえ‥‥)と切に思った。

 

 

「1日7時間織ります。それを半年続けて一つの着物が出来上がるんです。」

 

(うわぁ‥‥1日中ひとりで作業していいのか‥‥伝統工芸士‥‥)

 

「仕事をしていて大変じゃないんですか?」

「『楽しい』しかありません。」

 

(伝統工芸士!!!!!!!)

 

 

しかししかししかし。この女性は商品ではなく作品を作っているのだという。

(ん?)と思いながら帰り道、一緒に見学に行った先生に「商売ではないのだとしたら、あの方はどうやって生計を立てているんですかね?」と聞いたら、「旦那さんが社長なのよ。あの機織り機、相当維持費がかかるそうよ~。」と返された。

 

お金持ちの遊戯かよ!!!少しでも転職したいと思ったわたしが馬鹿だったわ!!!完!!!!

 

と思ったのでした。

 

 

 

それでも、機織りに魅力を感じたのは事実。子どもたちが先に出たあと「機織り、やってみたいと思いました!!」と熱い想いをお伝えしたら、「わたしの息子も先生やってるのよ。また遊びにいらしてね。」と、これまた上品なお言葉を頂いたのでした。う~ん、伝統工芸士になりたい。